猫と一緒に賃貸で暮らすとき、最もトラブルになりやすいのが「床」です。
フローリングの傷、走り回りによる擦れ、粗相によるシミや臭い…。
「猫可物件だから大丈夫」と思っていたのに、退去時に高額な原状回復費用を請求されたというケースも少なくありません。
しかし、猫の習性を理解し、賃貸でも使える正しい床対策を事前に行えば、こうしたトラブルはほぼ防ぐことが可能です。
クッションフロアやタイルカーペットなどのアイテム選びから、管理会社との確認ポイント、退去時に揉めないための記録の残し方まで、押さえるべきポイントは明確です。
この記事では、「猫 × 賃貸 × 床対策」に特化し、
- 猫が床を傷つける理由
- 賃貸でもできる具体的な床保護方法
- 原状回復費用を抑える実践ノウハウ
- 福岡で猫可物件を選ぶ際の注意点
を、不動産の専門視点も交えながら網羅的に解説します。猫にも人にも、そして将来の退去時にもやさしい賃貸暮らしを実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

高木 政利(たかぎ まさとし)
株式会社セイコーエステート&ディベロップメント 代表取締役
福岡の不動産投資・アパート経営の専門家
福岡市を拠点に、不動産投資の企画・建築・資産形成支援を手がける「株式会社セイコーエステート&ディベロップメント」代表。一棟アパートの新築・土地活用・空室対策・創業融資支援に精通し、福岡エリアの実需と投資ニーズを熟知したプロフェッショナル。これまでに数十件以上の投資用不動産の設計・建築・収益改善を手がけ、多くの個人投資家や経営者から信頼を得ている。
「福岡で堅実な不動産投資をしたい方に、現場視点でリアルな情報を届けたい」という想いから、『福岡投資ナビ』を運営。
賃貸で猫と暮らすときに床対策が必須な理由
猫と暮らす賃貸では、床の「傷・汚れ・臭い」こそが、もっともトラブルになりやすいポイントです。退去時の原状回復費用に直結するため、入居後に慌てて対応するのではなく、入居前〜入居直後の「初期対策」が勝負になります。この章では、なぜここまで床対策が重要なのかを、猫の習性・原状回復・賃貸契約の3つの視点から整理します。
猫が賃貸の床を傷つけやすい3つの理由(行動学的解説)
猫が賃貸のフローリングやクッションフロアを傷つけてしまうのは、「悪い子だから」ではなく、生き物としてごく自然な行動です。その自然な行動と床材との相性が悪いと、結果として深い傷や汚れにつながります。
理由① 爪とぎ本能(マーキング・ストレス発散)
猫は本能として、以下の目的で爪とぎを行います。
- 爪のお手入れ(古い角質を落とす)
- 匂い・見た目によるマーキング
- ストレス発散・気分転換
このとき、爪とぎ器だけでなく、フローリングの端・巾木・柱の角・クッションフロアの継ぎ目などもターゲットになりがちです。特に賃貸の床材は「見た目重視・耐久性は標準レベル」のことも多く、短期間でも爪あとがハッキリ残ることがあります。
爪とぎ行動をゼロにすることは不可能なので、
「どこで」「何に対して」爪とぎさせるかを設計しないと、床へのダメージは避けられません。
理由② 滑る床への苦手意識 → 爪を立てて歩く
フローリングなどのツルツルした床は、猫にとっては歩きにくく、足裏の肉球だけではグリップが効きません。
その結果、以下のような行動が増えます。
- 歩くときや着地のときに爪を立てて体を支える
- 方向転換やダッシュ時に爪でブレーキをかける
この「滑らないように踏ん張る動き」が繰り返されることで、フローリングに細かい線傷が大量に入る状態になります。最初はうっすらとしたキズでも、光の角度や退去立ち会いのときに目立ちやすく、原状回復費用の対象になることがあります。
理由③ 多頭飼いでの運動量増加
1匹だけならそこまで走り回らない猫も、2匹・3匹と増えるにつれて運動量が跳ね上がります。
- 追いかけっこ
- 高いところへのジャンプ・着地
- 夜間の運動会
これらがフローリング・クッションフロア・階段・廊下などに対して毎日何十回・何百回と繰り返されることで、表面のコーティングが削れ、傷・へこみにつながります。
多頭飼い+フローリング賃貸の組み合わせは、床ダメージリスクが一気に高くなるため、クッションフロアやタイルカーペットによる早めの全体保護が重要です。
原状回復費用のリスク|実際に請求されるケースとは?
床対策を甘く見てしまうと、退去時に予想以上の原状回復費用を請求される可能性があります。ここでは、賃貸でありがちな請求パターンを整理しておきます。
フローリング張替え費用(部分補修/全張替え)
猫の爪あとが深く入っていたり、広範囲に渡って傷がついている場合、「部分補修では対応不可」「同じ柄の部材が廃番」と判断されることがあります。
その結果、
- 1部屋分のフローリングを丸ごと張替え
- 廊下と一体になっている場合は、廊下も含めて全面張替え
といったケースも出てきます。
フローリング張替えは材料費+工事費がかかるため、数万円〜十数万円単位の負担になることも珍しくありません。
「猫を飼っているからこそ、フローリングを丸出しで使わない」という考え方が重要になります。
クッションフロアの張替え費用
猫の粗相(オシッコ)や吐き戻しがクッションフロアに染み込み、クッション層まで浸透してしまうと、表面の拭き掃除だけでは臭い・シミが残ります。
その場合、
- 台所・洗面所のクッションフロア一面張替え
- トイレや脱衣所など、水回り+猫のトイレスペースとして使っていた場所の全面張替え
となることもあります。
クッションフロアはフローリングより安価ですが、それでも1〜数万円単位の負担になる可能性があります。
トイレ周りだけでも、あらかじめ防水性の高いマットやシートで守っておくと安心です。
臭い・粗相のクリーニング・消臭費用
猫のおしっこやマーキングは強いアンモニア臭があり、時間が経つほど取れにくくなるのが特徴です。
においが残ってしまうと、
- 特別清掃(消臭・脱臭施工)
- 床材だけでなく、下地や壁のクロスまで含めた交換
が必要になるケースもあります。
「普段はあまり分からなかったけど、退去時のチェックで気付かれた」という事例もあり、油断はできません。毎日の掃除に加えて、粗相しやすい場所には防水シート+マットで二重に対策しておくことが重要です。
よくあるトラブル事例
- 「猫の爪あとだから仕方ない」と思い、特に対策をせず暮らしていたら、退去時に床全面張替えをお願いされた
- しっかり掃除しているつもりだったが、「においが残っている」と判断されて消臭費を請求された
- 大家さんが猫好きだから大丈夫と思っていたが、管理会社の基準が厳しく、想定以上の費用になった
「猫OKの物件だから大丈夫」ではなく、「猫OKだからこそトラブルが増えやすい」という視点で、早めの対策をしておきたいところです。
賃貸契約で確認すべき「ペット可の条件/NG事項」
床対策をしっかりしていても、契約違反になってしまうと元も子もありません。
「ペット可」「猫可」と書かれていても、物件ごとに細かい条件が異なるため、入居前に必ず確認しておきましょう。
爪とぎ禁止/床材指定/追加敷金などの条件
賃貸契約や重要事項説明書では、例えば次のような条件が入っていることがあります。
- 壁・柱での爪とぎは禁止(爪とぎ器の設置推奨)
- 床に直接傷を付けないよう、マット・カーペットでの保護が条件
- ペット飼育時は敷金を1〜2ヶ月分追加
- 多頭飼いは要相談/頭数制限あり
「細かいところまで読んでいなかった」ことが、後々のトラブルの原因になりがちです。
疑問点があれば、入居前に管理会社・オーナーに質問し、メールなど記録が残る形で確認しておくと安心です。
福岡の賃貸で多いペット規約の傾向(地域性)
福岡市内を中心に、「ペット可」「猫可」「ペット共生型」の賃貸物件は年々増加傾向にあります。その一方で、
- ペット飼育時の敷金増額(+1〜2ヶ月)
- 「小型犬のみ可」「猫は要相談」といった制限
- 床や壁へのダメージについての原状回復ルールが明文化されている物件
も増えてきています。
福岡エリアで猫と暮らす賃貸を探す場合は、「ペット可」だけでなく、「猫可」「ペット共生型」などのキーワードで検索し、床材や防音性能まで含めて比較することが、結果的にトラブル回避につながります。
猫が床に与えるダメージを種類別に徹底解説
床対策を考えるうえで重要なのは、「どのようなダメージが、どのタイミングで、どの部位に出やすいか」を具体的にイメージすることです。この章では、猫と賃貸フロアの組み合わせで起こりやすいダメージを種類別に整理し、それぞれの特徴と注意点を解説します。
爪とぎによる「深い傷・ささくれ」
猫の爪とぎによる傷は、表面コーティングの小さなキズから、木目がめくれるような深いダメージまでさまざまです。
- 同じ場所に繰り返し爪を立てるため、一直線状のえぐれたような傷になりやすい
- フローリングの継ぎ目や端の部分は、ささくれ立ってトゲのようになることも
- クッションフロアでも、表面シートが剥がれて下地が見えることがある
このような傷は、「生活キズ」の範囲を超えていると判断されやすく、部分補修や張替えの対象となるリスクが高まります。
- 爪とぎ器を「猫が好む高さ・場所」に複数配置する
- フローリングの端や柱のコーナーに保護シートを貼っておく
- 爪切りだけに頼るのではなく、環境で爪とぎの方向をコントロールする
走り回り・スライディングによる擦り傷
猫が全力で走ったり、フローリングの上でブレーキをかけるときにできるのが、細かい擦り傷の蓄積です。
- 床全面に細かい白い線傷が無数に入る
- 日光や照明の反射で、特定の角度から傷が目立つ
- 特に部屋の中央〜通路部分で傷が集中しやすい
このタイプの傷は1本1本は浅くても、「全体的にツヤがなくなって見える」状態になりやすく、見た目の劣化につながります。
- 猫がよく走るルート(窓辺〜キャットタワー、リビング〜廊下など)に、タイルカーペットやジョイントマットを敷く
- 滑りにくいマットを活用することで、猫自身の関節への負担軽減にもつながる
- 多頭飼いの場合は、上下運動できるキャットタワー・棚を充実させ、床運動の比率を下げる
- 猫がよく走るルート(窓辺〜キャットタワー、リビング〜廊下など)に、タイルカーペットやジョイントマットを敷く
- 滑りにくいマットを活用することで、猫自身の関節への負担軽減にもつながる
- 多頭飼いの場合は、上下運動できるキャットタワー・棚を充実させ、床運動の比率を下げる
粗相(オシッコ・吐き戻し)によるシミ・腐食・臭い
床での粗相は、見た目のシミだけでなく、「臭い」と「下地の腐食」という点で大きな問題になります。
- フローリングの継ぎ目やクッションフロアの隙間から水分が下地に染み込む
- 乾いたあともアンモニア臭が残り、湿度の高い日に再びにおう
- 放置すると、床材の反り・変色・カビの原因にもなる
一度しみ込んでしまった臭いは、家庭用洗剤だけでは完全に取り切れないことも多く、専門クリーニングや部分張替えが必要になるケースもあります。
- 猫が粗相しやすい場所(トイレ周辺・ベッド周りなど)には、防水マット・ペットシートを常備
- 粗相直後は、すぐに拭き取り+消臭・除菌スプレーで対応
- 繰り返す場合は、トイレ環境や健康状態の見直し(トイレの数・位置・ストレス要因)も重要
毛・皮脂汚れによる黒ずみ防止
一見すると大したことがないように見える「抜け毛」と「皮脂汚れ」も、長期間蓄積すると床の黒ずみやくすみの原因になります。
- 猫の寝床周辺やお気に入りスペースで、フローリングが黒っぽくテカテカしてくる
- ラグやマットの下に徐々に毛とホコリ・皮脂がたまる
- ドア付近や出入り口に毛が絡み、溝に汚れが固着する
退去時のクリーニングである程度は落ちますが、場合によっては「通常のハウスクリーニング以上の作業」が必要になることもあります。
- 猫の寝床周辺やお気に入りスペースで、フローリングが黒っぽくテカテカしてくる
- ラグやマットの下に徐々に毛とホコリ・皮脂がたまる
- ドア付近や出入り口に毛が絡み、溝に汚れが固着する
夏冬の気温差・湿度による床材の劣化リスク
猫に直接関係ないように見えて、気温差や湿度も床材の耐久性に大きく影響します。そこに猫の生活が加わることで、劣化が早まるケースがあります。
気温・湿度と床材の関係
- 福岡のような湿度の高いエリアでは、夏場の湿気で床材が膨張しやすい
- 冬場の乾燥時には収縮し、継ぎ目の隙間が目立つ・きしみが出ることも
- その状態で猫が走り回ると、継ぎ目のささくれ・めくれが進行しやすい
また、窓際の日当たりの強い場所では、床材の色あせ+猫のベッド・トイレによる局所的な負荷が重なり、劣化スピードが上がる場合もあります。
気候を踏まえた床・猫環境づくり
- 夏場は除湿器やエアコンの除湿機能で、湿度60%前後を目安に管理
- 冬場は過度な乾燥を避けつつ、結露やカビが出ない範囲で調整
- 窓際に猫ベッドを置く場合は、ラグ+タイルカーペットで床を二重保護
「気候 × 猫 × 床材」の三つ巴で考えると、より長持ちする住まい方が見えてきます。

アパート経営の専門家
髙木政利
猫と暮らす賃貸では、今回お伝えしたように「床をどう守るか」が、原状回復費用を抑えつつ快適に暮らすための重要ポイントになります。
一方で、視点を少し変えると、「猫と暮らしやすい賃貸を自分で所有する」という発想もあります。
私たちが福岡でお手伝いしている新築アパート一棟投資や、老人ホーム×新築アパートのハイブリッド型不動産投資では、将来的に「ペット共生型」「猫可賃貸」として企画することも可能です。オーナー側として、最初から床材や防音・間取りを設計できるため、入居者にも猫にもやさしい物件づくりができます。
セイコー・エステート&ディベロップメントのセミナーでは、最初の一棟目から二棟目・三棟目へと、どのように銀行融資をつなげていくかという“成功する融資戦略”について、実例を交えながらお話ししています。
賃貸でもできる床保護対策|費用別・難易度別で紹介
賃貸で猫と暮らす場合、床を守るための対策は「いかに簡単に、低コストで、原状回復しやすいか」が最重要です。ここでは、競合サイトよりも深く、費用別・難易度別に分けて、賃貸でも実践しやすい床保護対策を徹底解説します。実際の設置方法・選び方・メリット・デメリットまで網羅しているので、あなたの住まいに合った最適な方法が見つかります。
貼って剥がせるクッションフロア|賃貸で最強の床対策
賃貸で床を守る方法として最も人気が高いのが、「貼って剥がせるクッションフロア(CF)」です。最新の製品は粘着力が弱めで、賃貸でも跡が残らず、低価格で広範囲をしっかり保護できるのが最大の魅力です。
選ぶときのポイント(厚み・耐水・耐傷・滑りにくさ)
クッションフロアは種類が多く、選び方を間違えると「ズレやすい」「水が染みる」などの問題につながります。以下のポイントを押さえて選びましょう。
- 厚み:1.8〜2.5mm以上が理想
薄いタイプは床の衝撃が吸収できず、猫の走り傷が残りやすくなります。 - 耐水性:防水タイプを選ぶと粗相対策に強い
特に猫が吐き戻ししやすい家庭では必須です。 - 耐傷性:表面が強化コーティングされているタイプが安心
爪跡が残りにくく、長持ちします。 - 滑りにくさ:エンボス加工が入ったタイプがベスト
猫が走り回る際の負担が大幅に軽減します。
安いものより、耐久性のある「中価格帯」を選ぶと長期的に得です。
賃貸での施工・剥がし方(跡を残さない方法)
クッションフロアの施工は簡単で、DIY初心者でも30分〜1時間程度で可能です。
- 掃除機と雑巾で床を清掃
- 部屋のサイズより少し大きめにCFをカット
- 両面テープを使わず、四隅だけ弱粘着のマスキングテープで固定
- 壁に沿ってカッターで余分をカット
剥がすときは、ゆっくりめくるだけでOK。粘着跡が残りにくく、賃貸との相性は抜群です。
タイルカーペットで全面保護|防音・滑り止めもOK
タイルカーペットは、30〜50cmの正方形のカーペットを組み合わせて敷くタイプ。
部分的な汚れが出ても、その1枚だけ洗って交換できるのが最大のメリットです。
猫に合う素材(パイル長・ループ形状)の選び方
猫と暮らす場合、タイルカーペットの選び方にはコツがあります。
- 短いパイル(ループ状)のタイプが最適
爪が引っかかりにくく、猫の足腰にも優しい。 - 裏面が滑り止めラバーのものを選ぶ
走り回ってもズレにくく、ストレス軽減。 - 防音タイプなら階下への騒音対策にも有効
特に1階以外の物件では安心です。
粗相時の洗濯と交換のしやすさ
粗相や吐き戻しがあっても、タイルカーペットなら安心。
- 汚れた部分だけ剥がして洗う
- ひどいときは1枚のみ買い換える(1枚200〜400円程度)
- 全面敷きなら、床の傷をほぼゼロにできる
「猫×賃貸」の最も現実的な賃貸対策です。
ジョイントマットで簡単に床保護+防音対策
ジョイントマットは、パズルのように組み合わせるクッション性の高いマット。
特に子育て家庭で使われるEVA素材のものは、猫にも相性が良いです。
赤ちゃん用マットが猫にも有効な理由
- 衝撃吸収が良く、走り回り傷を大幅カット
- 厚みがあるため、マンションでの防音対策にも効果的
- 吐き戻しもすぐ拭ける
- カットしやすく、部屋の形に合わせやすい
物音が気になる猫、多頭飼い家庭、騒音トラブルが心配な方に特におすすめです。
デメリット(噛む猫・ズレやすい・段差)への対策
ジョイントマットは便利ですが、以下のようなデメリットがあります。
- 猫が角を噛む
- マット同士がズレる
- 部屋の端に段差が生まれる
これらを防ぐには、
- 専用コーナーカバーで噛み対策
- 滑り止めシート+上にラグを重ねる
- 段差部分にテープ式のスロープを設置
などの工夫で、快適に利用できます。
ペット用フロアコーティングは賃貸でアリか?
競合サイトがほとんど触れていない領域ですが、検索需要が高いテーマです。
結論として、フロアコーティングは賃貸ではほぼNGです。しかし、中には賃貸との相性が良い「剥がせるタイプ」「簡易コーティング剤」もあります。
- 原則、床材を変質させる施工は禁止
- 退去時に「コーティングのムラ」が残るとトラブルに
- どうしても使う場合は、透明・表面保護型のワックスを選ぶ
猫が滑らない床を作るためのアイテム総まとめ
猫が滑りにくい床は、床の傷を防ぐだけでなく、猫の関節や筋肉の健康にも直結します。
以下は、賃貸で人気の滑り止めアイテムです。
- ペット用滑り止めワックス
表面に薄い膜を作り、滑りを軽減。賃貸でも使いやすい。 - ノンスリップテープ
段差や階段付近での転倒防止に最適。 - ラグ・マットの併用
滑り止めシートと組み合わせるとズレにくい。
猫の爪とぎ・壁傷を防ぐ実践対策
床だけ守っても、猫の行動パターンによっては壁・柱・家具も傷つきやすいため、総合的な対策が必要です。この章では、競合よりも深く、行動学+実用性に基づく傷防止策を紹介します。
爪とぎ対策|縦型・横型・コーナー型の使い分け
猫は本能的に爪とぎを行いますが、種類によって好みが大きく異なります。
- 縦型(ポール型):背伸びして爪とぎしたい猫向け
- 横型(平面型):床でゴロゴロするタイプに
- コーナー型:壁や柱で爪とぎする癖がある猫に最適
重要なのは、「猫がとぎたい方向に合った爪とぎ器を複数用意する」こと。1種類だけだと、必ず“別の場所”で爪とぎします。
壁・柱の傷を防ぐ透明保護シートの貼り方
透明保護シートは、賃貸で最も使いやすい壁・柱の保護アイテムです。
- 柱の角に沿わせてカット
- 空気を抜きながら貼る
- 剥がすときはゆっくり引っ張る
新しい製品は跡が残りにくく、賃貸でも原状回復リスクを下げながら使えるのが魅力。
特に巾木(壁と床の境目)は、猫が好む爪とぎスポットなので、早めの保護が効果的です。
家具周りの対策(ソファ・テーブル)
家具にも爪とぎしやすい猫は多く、以下の工夫が有効です。
- ソファカバーで布を二重構造にする
- テーブルの脚に保護シートを巻く
- 家具の近くに爪とぎ器を置いて習慣づける
家具の配置を少し変えるだけで、猫の行動が変わり、結果的に床と壁の保護にもつながることがあります。

アパート経営の専門家
髙木政利
賃貸で猫と暮らすうえで、今回ご紹介したような床・壁・家具の総合対策は、原状回復費用を抑えるだけでなく、猫自身が安心して生活できる環境づくりにも役立ちます。そして、視点を少し変えると、「猫と暮らしやすい賃貸住宅を自分で所有する」という選択肢もあります。
私たちが福岡で支援している、新築アパート一棟投資、そして老人ホーム×新築アパートのハイブリッド型不動産投資では、ペット共生型住宅の企画も可能です。最初から床材・壁材・防音対策などをオーナー側で設計できるため、入居者に喜ばれる“猫にやさしい物件づくり”が実現できます。
賃貸で猫と快適に暮らす方法を学ぶと同時に、「猫にも人にもやさしい賃貸住宅を提供する側になる」という新しい資産形成の選択肢も、ぜひ知っていただきたいと思いま
賃貸マンションで床対策に失敗しないためのポイント
猫と暮らすための床対策は、アイテム選びだけでなく「賃貸ルール」との相性がとても重要です。同じようにクッションフロアやタイルカーペットを敷いていても、物件選びや管理会社とのコミュニケーションを間違えると、退去時に思わぬトラブルや高額請求につながることがあります。この章では、賃貸マンションで床対策に失敗しないための「事前準備」と「証拠の残し方」を、オーナー・管理会社目線も交えながら解説します。
物件選びで絶対にチェックすべきポイント
猫との賃貸暮らしで床トラブルを防ぐためには、入居前の物件選びの段階で「床対策しやすい物件かどうか」を見抜くことが大切です。
ペット可の中でも「猫可」「複数飼育可」は条件が違う
「ペット可」と書いてあっても、実際には次のように条件が分かれています。
- 小型犬のみ可/猫は要相談
- 猫1匹まで可/複数頭はNG
- 体重制限あり
- ペット飼育時は敷金+1〜2ヶ月追加 など
特に床へのダメージという意味では、猫は爪・ジャンプ・走り回りの影響が大きい動物です。そのため、犬OKでも猫はNG、あるいは猫の頭数制限があるケースが増えています。
内見時や問い合わせの際には、「猫は何匹まで大丈夫ですか?」「床の保護シートやクッションフロアの使用は可能ですか?」と、床対策を前提に質問しておくと安心です。
ペット共生型物件(福岡にも増えている)のメリット
最近は福岡エリアでも、ペット共生型マンション・アパートが増えています。ペット可物件との違いは、次のような点です。
- 最初から傷に強いフローリングやクッションフロアが採用されている
- ペット足洗い場・ドッグランなどの共用設備
- ルールが明確で、オーナー・管理会社もペット飼育を想定した運営をしている
このような物件は、多少家賃が高くても、床トラブルのリスクが低く、精神的なストレスも少ないのが特徴です。
福岡で猫と暮らす賃貸を探すなら、
「ペット可」だけでなく「ペット共生」「猫可」といったキーワードで探し、床材や防音性も合わせてチェックすることをおすすめします。
事前に管理会社へ相談すべき内容リスト
どれだけ床対策をしていても、管理会社との認識ズレがあるとトラブルの原因になります。入居前〜入居直後に、次の点は必ず確認しておきましょう。
クッションフロア・タイルカーペットの敷設はOKか?
ほとんどの物件では、「原状回復できる範囲の床保護」は認められることが多いですが、
- クッションフロアの直貼り
- 強粘着の両面テープの使用
- 既存フローリングへの接着剤使用
などがNGの場合もあります。
事前に、
「猫の床対策として、貼って剥がせるクッションフロアやタイルカーペットを敷きたいのですが問題ありませんか?」
と確認し、できればメールやチャットなど、証拠が残る形で了承をもらっておくと安心です。
追加敷金・ペット礼金が必要かどうか
猫を飼う場合、最初から敷金を多めに預かる前提の物件もあります。
- ペット飼育時:敷金+1ヶ月
- 退去時、敷金から床・壁などペット由来の損耗を差し引くルール
これらは「損」「得」の問題ではなく、トラブルを避けるための保険のようなものと捉えると良いでしょう。
契約前に、
「猫を飼う場合の敷金や退去時精算のルールを詳しく教えてください」
と聞いておくことで、後から驚くような請求をされるリスクを減らせます。
原状回復の範囲を文章で残す方法
もっとも重要なのが、「どこまでが通常使用の範囲か」「どんな状態なら原状回復費用がかかるのか」を事前に擦り合わせておくことです。
おすすめなのは、
- 賃貸契約書・重要事項説明書に書かれている原状回復条項をチェックし、
- 不明点や不安な点があれば、その場で質問
- 管理会社の回答をメールで復唱し、OKの返信をもらっておく
という流れです。
「言った」「言っていない」を防ぐためにも、文章での記録は非常に有効です。
退去時にトラブルを避ける「記録と証拠」の取り方
床対策をしっかりしていても、人が住んでいる以上、多少の傷や汚れはどうしても発生します。そのときに重要になるのが、「適正な範囲かどうか」を判断するための記録です。
入居時の写真をしっかり残す
入居前〜入居直後に、
- フローリング全体
- 既にあるすり傷やへこみ
- 巾木や柱の傷
- 日焼け・色あせしている部分
などを、スマホで構わないので細かく撮影しておきましょう。
このとき、
- 日付がわかるように保存
- 可能であれば動画でも一周撮っておく
と、退去時の説明がしやすくなります。
定期清掃の記録・メンテナンス履歴を残す
床の汚れやシミは、普段から掃除しているかどうかも評価のポイントになります。
- 月に1回、床掃除の様子やビフォーアフターを撮影
- 大きな粗相をしたときは、すぐ掃除した様子を写真で残す
こうした小さな積み重ねが、「丁寧に使っていたかどうか」の説得力になります。
対策アイテムの設置記録も残しておく
クッションフロアやタイルカーペット、ジョイントマットなど、「床を守るためにどのような対策をしていたか」も写真で残しておくと良いです。
- 設置直後の全体写真
- 貼り方・敷き方がわかる写真
- 退去前に剥がしたあとの状態
これらをセットで残しておけば、
「猫を飼っていましたが、このような対策をしていました」
と具体的に説明でき、管理会社やオーナーとの信頼関係にもつながります。
床だけじゃない!猫と賃貸で快適に暮らすための総合対策
ここまで床対策を中心にお伝えしてきましたが、猫と賃貸で快適に暮らすためには「床+α」の総合対策が重要です。鳴き声・走り回る音・脱走・水回りのいたずらなど、床以外にも賃貸トラブルにつながるポイントはたくさんあります。この章では、猫と人、お互いがストレスなく暮らすための総合的な対策を整理します。
防音(鳴き声・走り回り)対策
賃貸で意外と多いのが、鳴き声や走り回る音に関する近隣トラブルです。特にマンション・アパートの中階層では、上下階・左右への音の伝わり方に注意が必要です。
走り回り音の防音対策
床対策として紹介した
- タイルカーペット
- ジョイントマット
- 厚手のラグ
は、防音の面でも大きな効果を発揮します。
特に、
- 廊下やキャットタワーの下
- 猫がよくダッシュするルート
に重点的に敷くことで、足音・着地音をかなり抑えることが可能です。
鳴き声対策には猫のストレスケアも重要
鳴き声を完全にゼロにすることはできませんが、以下の工夫で軽減しやすくなります。
- 高さのあるキャットタワーや棚を設置し、安心できる居場所を作る
- 留守番時間が長い場合は、おもちゃ・自動給餌器・見守りカメラなどを活用
- 夜中に鳴きやすい場合は、生活リズムや遊ぶ時間の見直しも検討
結果として、床だけでなく防音トラブル全体のリスクを下げることにつながります。
脱走防止対策(玄関・窓)
床の傷や汚れと同じくらい、賃貸で問題になりやすいのが「猫の脱走」です。脱走は猫の命に関わるだけでなく、共用部への糞尿・傷・事故など、賃貸全体のトラブルに直結します。
- 玄関前にベビーゲートや簡易扉を設置
- 玄関側には猫が苦手とする音・匂い(アルミ箔の音など)の工夫をする
- 来客時には必ず猫を部屋に閉じ込めておくルールを徹底
- 網戸ロックや補助ロックで開閉制限
- ベランダへの出入りは禁止、もしくはハーネス+リードで必ず管理
- 隙間からのすり抜けを防ぐため、柵の幅もチェック
これらを徹底することで、床対策以上に重大な「脱走リスク」をしっかり抑えることができます。
水回りのいたずら・事故防止
キッチン・洗面所・お風呂場などの水回りは、床へのダメージと猫の事故リスクが重なる場所です。
- シンクやコンロに上がらないよう、登れる足場を減らすレイアウトにする
- 食べ物や調味料を出しっぱなしにしない
- ゴミ箱はフタ付き・倒れにくいタイプを選ぶ
- お風呂の残り湯に猫が落ちる事故もあるため、浴室の扉は基本的に閉める
- 洗面所の床は、防水マット+タイルカーペットでダブル保護
- シャンプーや洗剤類は、猫が届かない棚や収納へ
水回りの床は滑りやすく、転倒事故のリスクも高いため、滑り止めマットやラグの活用は、猫の安全と床保護の両面で非常に有効です。

アパート経営の専門家
髙木政利
こまでご覧いただいたように、猫と賃貸で快適に暮らすためには「床対策+防音+脱走+水回り」の総合設計が重要です。同時に、これは「猫と暮らしやすい賃貸住宅とは何か?」を考えるヒントにもなります。私たちが福岡でお手伝いしている新築アパート一棟投資や、老人ホーム×新築アパートのハイブリッド型不動産投資では、オーナー側の立場から、
- ペット共生型賃貸にするかどうか
- 床材・防音・間取りをどう設計するか
- 入居者と長く良好な関係を築ける運営をどう作るか
といった視点で、「住む人もペットも安心して暮らせる物件づくり」を一緒に考えています。
セミナーでは、最初の一棟目から二棟目・三棟目へと、どのように銀行融資をつなげていくのかという“成功する融資戦略”について、実際の投資家事例を交えながら詳しくお話ししています。猫と快適に暮らす賃貸を探している方も、「いずれはペットにもやさしい賃貸を提供する側になりたい」という方も、ぜひ一度、セミナーでお話しできれば嬉しいです。
猫と賃貸に関するよくある質問(FAQ)
猫と賃貸で暮らすとき、多くの人が不安に感じるのが「原状回復」「床対策」「物件選び」といったポイントです。ここでは、実際に多く寄せられる質問を、専門的な視点も交えながらまとめました。検索需要が特に高いテーマを中心に、競合サイトよりも深く、根拠のある回答を整理しています。
まとめ|賃貸で猫と快適に暮らす床対策は「事前準備」がすべて
猫との賃貸暮らしで最も重要なのは、「傷・汚れ・臭い」を賃貸基準でどう防ぐかという視点です。
爪とぎ行動や走り回り、粗相など猫の習性は変えられないため、環境側(床・壁・家具)で守る仕組みをつくることが鍵になります。
記事で紹介したとおり、
- 床材を全面保護する
- 管理会社と事前にルール確認する
- 退去時のトラブルを防ぐ記録を残す
- 床以外の防音・脱走・水回り対策も行う
という4つの柱を実践することで、猫も人も快適に暮らせる空間づくりができます。
そして視点を変えると、「猫が快適に暮らせる賃貸住宅を提供する側」という未来の選択肢も見えてきます。
福岡で新築アパート投資を行う場合、
床材・壁材・防音・間取りの自由度が高く、ペット共生型物件として企画することも可能です。

猫と暮らす賃貸では、床対策や管理会社とのやり取り、退去時の原状回復など、考えるべきポイントが多いものです。しかしこれらは裏を返せば、「猫と安心して住める賃貸需要が確実に存在している」という証拠でもあります。
私たちが福岡で支援している新築アパート一棟投資、そして老人ホーム×新築アパートのハイブリッド型不動産投資では、ペット共生型住宅の企画・建築も可能で、入居者に選ばれやすい物件づくりが実現できます。
さらにセミナーでは、最初の一棟目から二棟目・三棟目へと融資をつなげる「成功する融資戦略」を、福岡の実例を使いながら詳しくお話ししています。
猫好きの方や、将来ペット共生型賃貸を所有したい方にも役立つ内容になっています。ぜひお気軽にご参加ください。
【写真で見る】福岡の新築アパート完成までのリアルなステップ
STEP1:更地の確認と購入判断 1カ月目


更地状態(福岡市南区) 地盤・周辺道路・日当たりなどを現地確認。成功する新築アパート投資の起点は、確かな土地選定から始まります。
STEP2:間取り設計・建築プラン策定


設計図と打ち合わせ風景 福岡エリアの入居者ニーズを反映したロフト付き1Kなど、エリア特性に応じたプランニングが大切です。
STEP3:基礎・上棟工事 2ヶ月目~4カ月目
基礎・構造工事中の写真 長期的な安全性と保全コストの削減につながる重要な施工工程。職人の腕が光るステージです。




STEP4:内装・設備工事 5カ月目~7カ月目


若年層の入居者に好まれる清潔感・使いやすさを追求した設備導入で、長期入居を実現します。
STEP5:完成・引き渡し 8カ月目


完成後の外観・内観写真 完成後の即入居対応が可能なよう、施工・管理部門と連携してスピーディーな仕上げを実施。

完成までの各ステップは、見えない”安心”を可視化する工程です。現地での確認・丁寧な施工・設計の工夫、それぞれが投資価値を高める鍵になります。実際の現場で培ったノウハウをご体験ください。





