新築アパート投資では、土地価格、想定家賃、利回り、銀行融資だけでなく、完成後に長期間保有する建物そのものの性能も重要な判断材料になります。
セイコー・エステート&ディベロップメントが福岡大学と共同研究を進める特許出願中の建築冷却技術「CoolSkin®」では、第一段階の屋内実証実験において、通常条件と比較して内壁の室内側で最大4.66℃、室温でも1.71℃低い測定結果が得られました。
CoolSkin®はまだ研究開発段階であり、電気料金や空調消費電力の削減を確認したものではありません。
しかし今回の結果は、これからの新築アパート投資において「いくらで建てるか」だけでなく、入居者がどのように暮らす建物なのか、長期保有時のエネルギーや建物性能をどう考えるのかという視点が重要になることを考える材料になります。

高木 政利(たかぎ まさとし)
株式会社セイコーエステート&ディベロップメント 代表取締役
福岡の不動産投資・アパート経営の専門家
福岡市を拠点に、不動産投資の企画・建築・資産形成支援を手がける「株式会社セイコーエステート&ディベロップメント」代表。一棟アパートの新築・土地活用・空室対策・創業融資支援に精通し、福岡エリアの実需と投資ニーズを熟知したプロフェッショナル。これまでに数十件以上の投資用不動産の設計・建築・収益改善を手がけ、多くの個人投資家や経営者から信頼を得ている。
「福岡で堅実な不動産投資をしたい方に、現場視点でリアルな情報を届けたい」という想いから、『福岡投資ナビ』を運営。
新築アパート投資は「土地・利回り・融資」だけで考えてよいのか
不動産投資を検討するとき、多くの人が最初に見るのは、
- 土地価格
- 建築費
- 想定家賃
- 利回り
- 入居需要
- 銀行融資
- 毎月のキャッシュフロー
といった数字ではないでしょうか。
もちろん、これらは新築アパート投資に欠かせない重要な要素です。
しかし、新築アパートは完成後、長期間にわたって入居者が暮らし、投資家が所有する不動産です。
そのため、本来は、
「どこに建てるか」
「いくらで建てるか」
だけでなく、
「どのような建物を建てるか」
まで考える必要があります。
福岡投資ナビでもこれまで、新築アパートを建築する会社を選ぶ際には、施工実績だけでなく断熱性、省エネ性能、耐震性、維持管理などの建物品質を見ることが重要だと解説してきました。
そこへ近年、さらに重要性を増しているテーマの一つが「夏の暑さ」です。
猛暑時代、建物そのものから暑さを考える
一般的な夏の暑さ対策といえばエアコンです。
室温が上がったら、エアコンを使って室内を冷やす。
もちろん、適切な冷房利用は重要です。
一方で、建築側から考えると、その前段階があります。
そもそも、建物へ入ってくる熱を減らすことはできないのか。
屋根や外壁は日射などの影響を受けます。
建物内部へ伝わる熱を抑えることができれば、将来的には室内熱環境や空調負荷にも影響する可能性があります。
この「建物外壁から暑さにアプローチする」という考え方から、セイコー・エステート&ディベロップメントが研究開発を進めているのが、特許出願中の「CoolSkin®」です。
CoolSkin®とは?建物外壁から熱にアプローチする冷却システム

CoolSkin®は、水が蒸発するときに周囲から熱を奪う「蒸発冷却」の考え方を建築外壁へ応用することを目指した建築物外皮材・冷却システムです。
単純に壁へ水をかけ続けるのではなく、
- 外壁への給水
- 水分の面方向への拡散
- 蒸発冷却
- 温度・湿度等のセンシング
- 給水制御
などを組み合わせ、冷却性能と水使用量を両立できるシステムを目指しています。
セイコー・エステート&ディベロップメントは2026年5月にCoolSkin®の特許出願を発表し、その後、福岡大学との産学連携による共同研究へ進みました。
そして今回、第一段階となる屋内実証実験の結果がまとまりました。
福岡大学との実証実験で最大4.66℃の温度差

福岡大学から提供された測定データをもとに、通常条件とCoolSkin条件を比較したところ、最大時の測定値では次の結果となりました。
| 測定箇所 | 通常条件 | CoolSkin条件 | 差 |
|---|---|---|---|
| 内壁の外側 | 40.73℃ | 36.23℃ | 4.50℃低い |
| 内壁の室内側 | 39.34℃ | 34.68℃ | 4.66℃低い |
| 断熱材室内側 | 25.38℃ | 23.52℃ | 1.86℃低い |
| 室温 | 23.39℃ | 21.68℃ | 1.71℃低い |
最大差が確認されたのは「内壁の室内側」。
通常条件39.34℃に対し、CoolSkin条件では34.68℃となり、4.66℃低い測定結果となりました。


重要なのは「一カ所だけ4.66℃違った」わけではないこと
今回の結果を見る際に注目したいのは、最大値だけではありません。
建物の外側から室内へ向かって見ると、
内壁の外側 4.50℃低い
↓
内壁の室内側 4.66℃低い
↓
断熱材室内側 1.86℃低い
↓
室温 1.71℃低い
という結果となっています。
今回の試験条件下では、内壁だけではなく、断熱材の室内側、さらに室温までCoolSkin条件の方が低い値を示しました。
もちろん、これはあらゆる建物で「室温が必ず1.71℃下がる」という意味ではありません。
今後、条件を統一した反復試験や実建物での検証によって、再現性を確認する必要があります。
「1℃」は建築・空調では無視できない数字

環境省は、エアコン設定温度を1℃緩和した場合、冷房時の消費電力量が約13%削減されると見込まれるという参考値を紹介しています。
ただし、ここには重要な注意点があります。
CoolSkin®で測定温度が1℃低くなれば、電力が13%減るという意味ではありません。
まして、
4.66℃ × 13%
という計算をすることもできません。
エアコンの設定温度と、今回測定した壁面・室内側の温度は別の指標だからです。
重要なのは、「1℃程度の条件差も、建物や空調を考える上では無視できない」ということです。
だからこそ今後は、温度だけでなく実際の空調消費電力量まで測定する必要があります。
不動産投資家が今回の実験結果から考えておきたい3つのこと

1.これからのアパートは「住む人の快適性」まで考える
新築アパートは投資商品であると同時に、入居者が生活する建物です。
夏の暑さにどう対応するのか。
断熱、設備、外壁などを含めた建物性能を考えることは、長期的な賃貸経営を考えるうえで無関係ではありません。
2.建物性能とランニングコスト
不動産投資では建築時のイニシャルコストに注目しがちです。
しかし建物は完成後、数十年使います。
その間には、
- 電気
- 水道
- 空調設備
- メンテナンス
- 修繕
などの費用が発生します。
CoolSkin®についても、今後は空調消費電力量だけではなく、水使用量、水道料金、耐久性、メンテナンス性まで含めて検証する予定です。
3.長期保有するなら「将来の建物価値」を考える
現時点で、「CoolSkin®を搭載すれば不動産価値が上がる」と結論づけることはできません。
まだ研究段階だからです。
しかしこれからの新築アパート投資では、
立地 × 賃貸需要 × 収益性 × 融資評価
だけでなく、
建物性能
という視点も持っておく必要があります。
長期保有する不動産だからこそ、「安く建てる」だけではなく、「長く選ばれる建物とは何か」という視点も重要になります。
「4.66℃」で研究は終わらない

今回確認されたのは、あくまで温度差です。
CoolSkin®の研究はここで終わりではありません。
次に検証するテーマは、
室内熱環境
→ 空調負荷
→ 消費電力量
→ 水使用量
→ 電気代・水道代
→ CO₂排出量
→ 耐久性・安全性
→ 実建物
です。
最終的には、「何℃下がったか」ではなく、建物全体として本当に合理的な技術なのかを判断できるところまで検証することが重要です。
実用化できればLEGENDEへの導入も検討

セイコー・エステート&ディベロップメントでは、福岡発の投資用新築アパートブランド「LEGENDE」を展開しています。
LEGENDEでは、土地選定だけでなく、地域の賃貸需要、建築企画、設計施工、収支計画、銀行融資への相談準備、完成後と次の投資まで一体で考えることを重視しています。
今後、CoolSkin®の性能、安全性、耐久性、施工性、経済性などが実用化できる水準まで確認された場合には、LEGENDEシリーズをはじめとした自社企画建物への導入も検討されています。
ここでも重要なのは、
技術を入れれば価値が上がると先に決めるのではなく、実測してから判断すること。
これは不動産投資そのものにも通じる考え方です。
まとめ|猛暑時代の新築アパート投資は「建物の中身」まで見る
福岡で新築アパート一棟投資を検討するとき、利回り、土地価格、賃貸需要、銀行融資評価はもちろん重要です。
しかし、長期的に保有するのであれば、
どのような性能を持つ建物なのか
という視点も欠かせません。
CoolSkin®はまだ研究開発途中の技術です。
第一段階実証実験では建物内部側で最大4.66℃の温度差が確認されましたが、次は空調負荷、電力、水使用量、コスト、耐久性などの検証が続きます。
セイコー・エステート&ディベロップメントでは、不動産投資家へ物件を提案するだけでなく、自ら建物を企画・設計施工する会社として、将来の建築技術の研究開発にも取り組んでいます。
土地だけではなく、建物まで。
一棟目だけではなく、長期保有と次の投資まで。
これからの新築アパート投資では、その両方を考えていくことが重要です。
福岡で土地から新築アパート一棟投資を検討している方へ
よくある質問
【写真で見る】福岡の新築アパート完成までのリアルなステップ
STEP1:更地の確認と購入判断 1カ月目


更地状態(福岡市南区) 地盤・周辺道路・日当たりなどを現地確認。成功する新築アパート投資の起点は、確かな土地選定から始まります。
STEP2:間取り設計・建築プラン策定


設計図と打ち合わせ風景 福岡エリアの入居者ニーズを反映したロフト付き1Kなど、エリア特性に応じたプランニングが大切です。
STEP3:基礎・上棟工事 2ヶ月目~4カ月目
基礎・構造工事中の写真 長期的な安全性と保全コストの削減につながる重要な施工工程。職人の腕が光るステージです。




STEP4:内装・設備工事 5カ月目~7カ月目


若年層の入居者に好まれる清潔感・使いやすさを追求した設備導入で、長期入居を実現します。
STEP5:完成・引き渡し 8カ月目


完成後の外観・内観写真 完成後の即入居対応が可能なよう、施工・管理部門と連携してスピーディーな仕上げを実施。

完成までの各ステップは、見えない”安心”を可視化する工程です。現地での確認・丁寧な施工・設計の工夫、それぞれが投資価値を高める鍵になります。実際の現場で培ったノウハウをご体験ください。




