国内最大級の不動産投資サイト『楽街』にセミナー掲載中

久留米市は新築アパート投資の候補になる?人口減でも世帯数が支える福岡県南のエリア選び

久留米市は新築アパート投資の候補になる?人口減でも世帯数が支える福岡県南のエリア選び

福岡で土地から新築アパート投資を検討すると、必ず出てくる悩みがあります。「福岡市内は土地が高くて収支が合わない」という壁です。

その次に候補として挙がるのが、県南最大の都市である久留米市です。しかし多くの方が、ここで手を止めます。「久留米は人口が減っているのではないか」という不安があるからです。

結論からお伝えします。久留米市は、人口ではなく世帯数で見れば、新築アパート投資の候補になり得るエリアです。ただし市内のどこでも良いわけではありません。土地の選び方を間違えると、空室と融資の両面で苦しむことになります。

この記事では、久留米市の公式統計をもとに、賃貸需要の実態を整理します。あわせて、候補になる土地と慎重に判断すべき土地の見分け方をお伝えします。

目次

久留米市の基礎データを正しく押さえる

まず、感覚ではなく数字から入ります。久留米市が公表している最新の現況は次のとおりです。

項目 数値
総人口 298,148人
世帯数 145,544世帯
1世帯当たり人員 2.05人
面積 229.96平方キロメートル
人口密度 1,296.5人/平方キロメートル

※久留米市公式サイト「久留米市の現況」より、令和8年9月1日現在の数値です。最新情報は久留米市の公式サイトをご確認ください。

福岡県内では、福岡市・北九州市に次ぐ第3の都市です。九州全体で見ても、県庁所在地以外では有数の人口規模を持ちます。

人口は減っている。それでも需要が残る理由

正直にお伝えします。久留米市の人口は緩やかな減少局面にあります。2020年の国勢調査では303,316人でした。現在は298,148人ですから、この6年ほどで約5,000人減っています。

ここだけを見ると、投資対象として不安に感じるはずです。しかし、アパート経営で見るべき指標は人口ではありません。世帯数です。

理由はシンプルです。部屋を借りるのは「人」ではなく「世帯」だからです。3人家族が1戸に住めば、必要な部屋は1戸です。その3人が別々に暮らせば、必要な部屋は3戸になります。

久留米市の1世帯当たり人員は2.05人です。この数字は、単身世帯と2人世帯が市内の中心であることを示します。人口が緩やかに減っても、世帯の分離が進む限り、住戸への需要はすぐには落ちません。

この考え方は久留米市に限りません。福岡県全体のエリア選定に共通する視点です。詳しくは福岡不動産投資の入居付け完全攻略でも解説しています。

久留米の賃貸需要を支える3つの柱

久留米市の賃貸需要には、他の県南エリアにはない特徴があります。単身需要の供給源が複数ある点です。

1. 大学と高等教育機関の集積

久留米市には複数の高等教育機関があります。久留米大学は6学部を持つ私立総合大学で、約6,000名の学生が学んでいます。ほかに久留米工業大学、聖マリア学院大学、久留米工業高等専門学校があります。

この4機関は「高等教育コンソーシアム久留米」を組織し、連携しています。学生数の絶対数が確保されている点は、単身向け住戸にとって重要です。

ただし注意点があります。学生需要は3月に一斉に動き、キャンパスからの距離に強く反応します。キャンパスまでの距離と通学手段は、土地を見る段階で必ず確認してください。

2. 「医者のまち」と呼ばれる医療の集積

久留米市は、人口当たりの医療機関数・医師数が多い都市として知られます。久留米大学病院、聖マリア病院といった大規模病院が市内にあります。

医療系の需要は、投資家にとって見逃せません。看護師や医療技術職の方は、勤務先の近くに単身で住む傾向があります。夜勤があるため、職住近接のニーズが強いからです。

さらに久留米市は、女性人口が男性より約1万5,000人多いという特徴があります(156,505人対141,643人)。医療・看護系の集積と無関係ではありません。

この点は建物の仕様に直結します。単身女性の入居を想定するなら、防犯設備・オートロック・宅配ボックスの優先度が上がります。設備を後から足すのは高くつきます。設計段階で織り込むべき部分です。

3. 県南エリアの中心都市機能

久留米市は、筑後地域の行政・商業・交通の中心です。八女市、大川市、うきは市、小郡市、大刀洗町といった周辺自治体からの通勤・通学を受け止めています。

JR久留米駅には九州新幹線が停車します。博多駅までの所要時間は在来線より大幅に短くなります。福岡市への通勤圏としての性格も持っています。

久留米市内でも需要は同じではない

ここからが本題です。久留米市は面積が229.96平方キロメートルあります。市内を一括りにすると判断を誤ります。

エリアごとの性格を整理します。

エリア 性格 主な想定入居者
JR久留米駅周辺 新幹線・在来線の結節点。再開発が進行 福岡市通勤層・単身
西鉄久留米駅〜六ツ門 商業・生活利便の中心市街地 単身・2人世帯
国道3号・幹線道路沿い 車移動前提の生活圏 ファミリー・車通勤層
大学キャンパス周辺 学生需要が中心 学生・単身
田主丸・北野など周辺部 田園地帯。土地値は低い 地縁層中心

同じ久留米市でも、駅前と周辺部では入居者層がまったく違います。土地値が安いという理由だけで周辺部を選ぶと、入居付けで苦戦する可能性があります。

一方で、中心部は土地値が上がっています。民間の集計では、久留米市の公示地価は12年連続で上昇しているとされます。住宅地の平均は1平方メートルあたり6万円前後という水準です。

ただし、この数値は民間サイトの集計による目安です。実際の土地価格は個別性が非常に強く、同じ町名でも大きく異なります。正確な地価公示・路線価は、国土交通省および国税庁の公式情報をご確認ください。

再開発の動きをどう読むか

久留米市では、市の玄関口で大きな動きが進んでいます。

「JR久留米駅前第二街区第一種市街地再開発事業」です。地上36階建ての住宅棟と店舗棟を、駅前ロータリーを囲む形で配置する2棟構成の計画とされています。老朽化した建築物が残る区域で、土地の高度利用と都市機能の更新を図る事業です。

また久留米市は、中心市街地として約153ヘクタールの区域を位置付けています。軸となるのは3本の通りです。JR久留米駅から市役所方面へ延びる昭和通り、西鉄久留米駅から六ツ門地区への明治通り、両者を結ぶ三本松通りです。

2026年5月1日には、都市計画マスタープランおよび立地適正化計画の改定が公表されています。

投資家として押さえるべき点は2つです。

1つ目は、再開発は分譲マンション供給を伴うことです。駅前に大規模な住宅供給があると、賃貸の競合環境が変わる可能性があります。真正面からぶつかる立地・間取りは避ける判断もあり得ます。

2つ目は、立地適正化計画の区域は融資評価に影響し得ることです。立地適正化計画とは、都市機能や居住を一定エリアに誘導する市の計画です。誘導区域内かどうかは、将来の資産価値を考えるうえで確認する価値があります。

なお、これらの事業計画は進捗により内容が変わることがあります。最新情報は久留米市および事業者の公式サイトをご確認ください。

久留米で土地を見るなら、水害リスクの確認は必須です

久留米市で土地を検討するなら、避けて通れない論点があります。水害リスクです。

久留米市には筑後川が流れています。2023年6月末からの大雨では、市内で浸水被害が発生しました。国土地理院が浸水範囲を地図化して公表しています。

久留米市は、洪水ハザードマップと内水ハザードマップの両方を公開しています。この2つは別物です。

  • 洪水ハザードマップ……河川が氾濫した場合の浸水想定を示すもの
  • 内水ハザードマップ……排水路などで雨水を排水しきれず浸水する場合の想定を示すもの

内水氾濫(河川の水位上昇や排水能力の超過で、雨水が道路や宅地に溢れる現象)は、河川から離れた場所でも起こります。「川が近くにないから安全」とは言い切れません。

土地を検討する際は、両方のマップを必ず確認してください。市のWeb版ハザードマップで住所から調べられます。

水害リスクが融資・保険料・入居付けにどう影響するかは、福岡の新築アパート投資とハザードマップで詳しく解説しています。

浸水想定区域に該当する場合、次の3点に影響が出る可能性があります。

  1. 入居者募集における訴求力
  2. 火災保険(水災補償)の保険料
  3. 金融機関の担保評価

ここで誤解しないでいただきたい点があります。浸水想定区域だから絶対に投資してはいけない、という話ではありません。盛土や基礎の設計、1階の用途の工夫で対応できる場合もあります。重要なのは、知らずに買わないことです。リスクを把握したうえで、設計と収支に織り込む姿勢が求められます。

銀行はどう評価するか

土地から新築アパートを建てる場合、資金調達は銀行融資が前提になります。ここで久留米市の特性が効いてきます。

金融機関は主に3点を見ます。

1つ目は土地の担保評価です。 路線価や取引事例をもとに算出されます。久留米市の中心部は評価が出やすい一方、周辺部は土地値が低く、担保評価も伸びにくい傾向があります。

2つ目は賃貸需要の裏付けです。 「久留米市だから大丈夫」では通りません。その土地の半径何メートルに何があり、どの層が住むのか。この説明ができるかどうかが分かれ目です。

3つ目は事業計画の妥当性です。 想定家賃が周辺相場とかけ離れていれば、計画そのものが疑われます。

民間サイトの集計では、久留米市の単身向け物件の家賃はおおむね月4万円台から6万円前後が中心帯とされています。ただし駅距離・築年数・設備で大きく変動します。これはあくまで目安であり、実際の事業計画では現地の募集状況を個別に確認する必要があります。

融資の考え方は、銀行評価目線で動き出す新築アパート一棟投資の考え方で詳しく解説しています。

久留米で候補になる土地・慎重に判断すべき土地

ここまでの内容を、判断基準として整理します。

候補になり得る土地

  • 大学キャンパスまたは大規模病院まで、徒歩または自転車圏にある
  • JR久留米駅・西鉄久留米駅まで、現実的な通勤動線が確保できる
  • 洪水・内水の両ハザードマップで、浸水想定が小さいか対策可能な範囲
  • 周辺に競合となる新築物件が集中していない
  • 生活利便施設(スーパー・コンビニ・ドラッグストア)が徒歩圏にある

慎重に判断すべき土地

  • 土地値の安さだけが選定理由になっている
  • 最寄りの生活利便施設まで車が必須で、駐車場を十分に確保できない
  • 浸水想定が深く、盛土や設計での対応コストが読めない
  • 特定の1施設(単一の工場や学校)の需要に依存している
  • 駅前再開発による大量供給と、間取り・価格帯が正面から競合する

5つ目の観点は見落とされがちです。単一施設への依存は、その施設が移転・縮小した瞬間に空室が一気に発生します。需要の供給源が複数あるかどうかを確認してください。

福岡市エリアと比べてどうか

最後に、福岡市との比較を整理します。

福岡市中心部は人口が増え、賃貸需要も旺盛です。しかし土地値が上昇し続けており、表面利回り(年間家賃収入÷物件価格で算出する指標)は出にくくなっています。自己資金の少ない会社員の方が、1棟目から福岡市中心部を狙うのは難しいのが実情です。

久留米市は、土地値が福岡市中心部より抑えられます。その分、事業計画上の収支は組みやすくなります。一方で、需要の厚みは福岡市に及びません。だからこそ、市内のどこを選ぶかがより重要になります。

福岡市は「エリアが需要を保証してくれる」。久留米市は「土地の選定が需要を決める」。 この違いを理解しているかどうかが、成否を分けます。

この違いは、20年後の売却時にも影響します。詳しくは新築アパートの出口戦略をご覧ください。

当社では、柳川市、大牟田市、苅田町などでも土地から新築アパートの開発を進めてきました。県南・県東エリアでの土地選定の考え方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

久留米市の新築アパート投資について、要点を整理します。

  • 人口は緩やかに減少しているが、1世帯2.05人という構成が住戸需要を支えている
  • 大学・医療・県南の中心都市機能という、需要の供給源が複数ある
  • 市内でもエリアごとに入居者層がまったく異なる
  • JR久留米駅前の再開発は、追い風にも競合にもなり得る
  • 洪水・内水の両ハザードマップの確認は必須
  • 土地値の安さだけを理由にした選定は避けるべき

久留米市は、条件を満たす土地を選べば、福岡市以外で一棟目を検討する現実的な選択肢になります。ただし、それは「久留米市だから」ではなく「その土地だから」成立するものです。

なお、本記事の統計数値は執筆時点で公表されている情報に基づいています。人口・地価・再開発の各データは更新されます。最新情報は久留米市および各公的機関の公式サイトをご確認ください。

また、本記事は特定の利回りや収益を保証するものではありません。実際の投資判断は、個別の土地・建築計画・資金計画をもとに慎重にご検討ください。


監修者

髙木 政利(セイコー・エステート&ディベロップメント株式会社 代表)

福岡を中心に、土地から新築アパートの不動産投資を支援しています。30年一括借上げの老人ホーム投資など、土地活用の選択肢も含めてご提案しています。

毎月開催している不動産投資セミナーは、日本最大級の不動産投資サイトのセミナーランキングで連続上位を達成中です。記録は現在も更新を続けています。セミナー参加者は延べ300人を超えました。

久留米市をはじめとする福岡県内での土地選定・銀行融資評価について、個別のご相談も承っています。セミナーの開催日程および参加方法の最新情報は、公式サイトをご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次